子ども以上 大人未満 |
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今、少年たちは… | ||
生まれてきたわが子のすこやかな成長を祈らない親はいません。子どもの明るい将来を望まない親はいません。学校や地域も同じように、少年たちが健全に育つことを願っています。それにもかかわらず、道をそれてしまう少年たちが全国的に増えています。 青少年をめぐる問題は、いわば社会のさまざまな問題の反映。決して青少年のみを対象とした対策だけで解決できる問題ではありません。青少年が置かれている環境を改善しなければ解決への糸口は見つかりません。そのために、社会全体でこの問題に取り組む必要があります。 美濃加茂市では昨年、東中学校が放火されたり、美濃加茂市に住む6歳から19歳までの少年1、000人あたりの刑法犯少年比率が県下でワースト1になったりするなど、非行がますます目立ってきました。大都市とその近郊で起きているような状況を、このまちで起こさないようにするために、家庭・学校・地域など、すべての市民とあらゆる機関が連携して、この問題に取り組まなければならないときが来ています。 |
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平成10年中に加茂警察署管内で発生した刑法犯罪の件数は、1、233件(交通事故による業務上過失致死傷事件をなど除く)。検挙件数は414件です。検挙人数は135人ですが、そのうちの105人(約77・7パーセント)が少年でした。少年犯罪の罪種別では窃盗犯が多く、全体の約72・3パーセントを占め、手口としては万引き、オートバイ盗が多いようです。男女別では、約3分の2が男子ですが、昨年は女子犯罪の増加が目立ったことが特徴です。年齢別では、15歳・16歳が最も多いようです。 |
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少年の発するサインを見逃さないで |
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こうしてデータとして上がってくる少年犯罪は、まだ氷山の一角です。出来心だとか、スリルを楽しみたかったとかいうのが彼らの犯行の理由。見つからなかったことで味をしめ、犯行を繰り返す少年があるとしたら恐ろしいことです。 データを見ると、15歳・16歳の犯行が多いのが目につきます。これは、複雑な年ごろの少年が卒業・入学のときを迎え、環境の変化に対応できなかったり、自分自身の理想と現実を身を持って知ったりしたことなどが引き金ではないかと思われます。 今の少年たちは、親や家族よりも友達が大切。友達が犯行に誘えば「ノー」とは言えません。「ノー」と言えばいじめが始まる…。そのため、悪いことと知りつつ共犯者になるケースもあります。 どんなときも、彼らは必ず何かのサインを出します。そのサインを見逃さないことが大切です。転落は早いものです。立ち直りは難しいものです。子どもたちを救うため、大人は何ができるのか、それが今問われているのではないでしょうか。これから夏休み、一層の注意が必要です。 |
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