音楽が人のこころをつなぎまちをゆたかにする

どんなときも家族を支えてくれたのは音楽

ペルー生まれの日本人 黒田明美さん

 夫はギターが大好き。ふるさとペルーでも、ときどきお客さんの前で演奏していました。私もペルーの民族舞踊などを習っていたので、夫の演奏にあわせて踊ることもあったんです。
 来日してからもうすぐ9年。はじめは言葉もわからないし友だちもいないので、家族だけが頼りでした。寂しかったあのころ、私たちを支えてくれたのは音楽。元気をなくさないように、子どもたちと一緒にペルーの民謡を演奏したり歌ったりしていましたね。おかげで家族のきずながとても強くなりました。
 日本に慣れるとともに子どもたちの演奏も上達。外国人家族のホームパーティーなどでも演奏できるくらいになりました。他には、愛知県豊田市や犬山市のイベントのほか、花フェスタ記念公園で行われたイベントにも出演したことがあります。
 けれども、市内ではまだ演奏する機会がなかった私たち。そこで、美濃加茂国際交流協会に相談してみたところ、3月に行われた同協会主催の「地球人サロン」、5月には中山道若衆会主で行われたコンサートに出演。家で演奏を披露するようになったことがきっかけで、たくさんの人に出会うことができました。電話や手紙をくださる人もあります。うれしいことですね。
 黒田家にとって、音楽はなくてはならないもの。苦しいときも楽しいときも、私たちには音楽があります。昨年の12月には家族みんなで日本に帰化。現在、三和町に住んでいます。初めて来たときは暮らしていけるかどうか不安でしたが、豊かな自然や地域のみなさんとの交流などにより、三和町が大好きになりました。家族とともに、音楽とともに、日本人としてここで暮らしていきます。


まちを音楽でいっぱいにしたい

美濃加茂音楽連盟会長 下嶋 篤さん

 歌声のひびくまちづくりがしたいですね。すこやかタウンや老人ホームなどで交流会を開いたり、いろいろなイベントを開催したり。活動の場はステージだけではないと思うんです。どんどんまちに出て、まちを音楽でいっぱいにしたい。演歌からロック、クラシックまで、これだけ幅広い音楽愛好家で構成される音楽連盟は、県内でも数少ない存在。やがては岐阜県の音楽発信地となることも夢ではありません。そして、音楽連盟が核となっていろいろな市民活動もできるようになるといいですね。
 音楽が嫌いな人は、おそらくいません。市民の中には、楽器を手にとったことがある人もたくさんあるはず。けれども、進学や就職などの環境変化で、それらを眠らせてしまっていませんか。「もう一度やりたいけれど時間やお金が…」そこから一歩踏み出すことで、新しい世界が広がると思うし、あなたの活動が、音楽によるまちづくりそのものでもあるのです。
 また、市内にはたくさんの外国人が住んでいますから、たとえばブラジル人には、本場のサンバやボサノバをぜひ聴かせてほしいし、そういう場を提供することも考えていきたいです。市が管理する施設の有効利用などにもつながりますからね。
 11月7日(日)・14日(日)には、市最大の音楽イベント、「第13回市民音楽祭」(7日:アマチュアバンドの部、14日:合唱・合奏・吹奏楽の部)を開催します。ぜひ生の音を聴きに来てください。特に、自分の中で音楽への思いを眠らせてしまっている人は、目をさましてほしいです。
 音楽連盟は今後、文化会館ロビーコンサートやクリニックなど、新しい活動を計画しています。一人でも多くの市民が会場に足を運んでくれることを願っています。




特集/あなたとまちに音楽を


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