音楽がまちに与えてくれる

私にもできることがある

音楽ボランティア 角田輝美さん

 音楽を楽しんでほしい。
 ボランティアとして、ひまわりの家でミュージックベルを教えたり、保育所でリトミックの指導をしたりするとき、私はいつもそう願っています。
 人それぞれに能力や感じ方などが違うから、音楽の楽しみ方も千差万別。音楽に反応する、楽器を演奏する、歌をうたう、体を動かす、一人で楽しむ、大勢で楽しむなど、その人なりに音楽にふれて楽しむことが大切だと思います。それがやがて芽を出し、大きな木に成長します。私は、芽生えのときにある彼らと過ごせる時間がとても楽しくて幸せに思います。
 私にできることがこのまちにある、だから私は来るべくしてこのまちに来て、このまちで暮らしている…そんな気さえする今日このごろ。これからも、たくさんの芽生えに合うことができたらいいなと思っています。


オーディオはくらしのオアシス

視覚障害者 坂元輝雄さん

 目が不自由なので、聴覚が敏感なこともあるのでしょうか。中学生のときから鉱石ラジオで音楽などを聴きはじめましたが、もっといい音で聴きたいという思いがありました。それがオーディオへの興味となり、今では私の大切な趣味となっています。
 オーディオが好きな人は、音楽を楽しむ人と音を楽しむ人に大別することができると思います。私の場合は後者。特に自然界の音が好きですね。
 聴くものは、そのときの気分によって変わります。低音の響きは私に活動力を与えてくれるし、高いきれいな音は安らぎを与えてくれます。オーディオ観賞をしているとふるさと鹿児島県を思い出し、望郷の念にかられることもあります。音についての専門的なことはわかりませんが、美しい音を再生して気分をいやしてくれるオーディオは、私にとってくらしのオアシスそのものです。


合唱団が私の視野を広げてくれた

美濃加茂少年少女合唱団 山内裕恵さん

 合唱団には、市内をはじめ可児市や加茂郡の団員もいます。学校は違うけれど、団員同士は強いきずなで結ばれています。
 特に、縦のきずなを強くするのが夏合宿。みんなで一緒に合宿へ臨むという連帯感と縦割り班での生活が、学年を越えた結束を生みます。その中で、低学年の団員は高学年の団員とのふれあいからいろいろなことを学び、高学年の団員は逆に低学年の団員に教えられたり、自然にリーダーシップを身に付けたりするのでしょう。
 交流は団員同士だけにとどまりません。今までに公演した市や県のほか、海外にも友だちができました。合唱団があったから、私は多くの人と出会うことができ、視野を広げることができました。来年、私は高校3年生、合唱団は設立25周年を迎えます。共に迎える節目のときを、大切に過ごしたいと思います。


唄と踊りを若い世代に伝えたい

美濃加茂踊り保存会 井関照子さん

 市内のどの地区の夏祭り会場でも聞こえてくる「美濃加茂音頭」と「ライン音頭」。これらの曲は、美濃加茂市にしかない大切なまちの宝物です。将来に唄い継がれ、踊り継がれてほしいと願っているのは、私たち保存会だけではありません。
 けれども若い世代は、祭りの会場へ足を運んではくれるものの、踊りの輪に加わったり踊りを覚えたりすることには消極的なようです。お囃子にしても、唄や三味線を演奏できる人がだんだん少なくなることが心配されます。カセットテープやレコードより、生のお囃子で踊ったほうが風情がありますから、受け継いでほしいと願っています。
 ふるさとの宝物は、誰かが守るものではなく、みんなで守るもの。市民みんなが踊れるようになると、祭りの会場はもっと盛り上がるでしょうね。



特集/あなたとまちに音楽を


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