新しい駅・まちの明日、
あなたはどう考えますか。

長尾美代さん(大手町)

 私、自由通路を一日に何度も往復するんですよ。駅の南へ買い物に行くのがとても楽になったわ。そのほかにも、孫と散歩に来たり、駅の夜景を見に来たりします。照明がとってもきれいなんです。それに、自由通路ができてたくさん歩くようになったおかげで、体の調子がとてもいいんです。
 北口ができてから、岐阜方面や名古屋方面へ自動車通勤している人で、電車通勤に切り替える人が増えたみたい。学生さんの利用も多いですよ。

写真右から
加藤真理さん(前平町)
可児恵理佳さん(伊深町)
渡辺愛子さん(加茂川町)

加藤さん 自転車で来ると、南口と北口で到着時間の差はそれほどありません。普段は南口を利用。屋内駐輪場があるし、自宅から北口へ向かう道路は歩道が少なくて危険。 可児さん 自宅から自動車などで駅へ送ってもらうことを考えると、やっぱり北口ができたことはうれしいです。 渡辺さん 自宅から駅へ来るときは、南口を利用。新しい駅はとてもいいけれど、自転車が通れるともっとよかったと思います。
(※JRとの協議により、自由通路利用者の安全のため、自転車による通行は禁止しました。)

渡辺洋子さん(下米田町)

 駅はきれいで立派になったけれど、たくさんの費用がかかったと思います。その費用が、ほかの事業に使われたら…。
 私は、このまちのより多くの市民のためにお金を使ってほしいと思います。人材を育てる事業や子育て支援のための事業、高齢者のための事業などに重点を置いて、住みよいまちづくりを進めてほしいですね。
 外見ばかりでなく、中身の伴ったまちになるような行政を私は望みます。

増井 伸さん(伊深町)

 僕や家族が鉄道を利用する機会は、ほとんどありません。公共交通機関の少ない地域だから、出かけるときは自動車です。
 駅北部には、東海環状自動車道(仮)美濃加茂インターチェンジをはじめ、数々の開発計画があるとのこと。駅に北口ができたから、住宅も増えるでしょうね。それにあわせて、この地域でも路線バスの本数が増えれば、きっとみんなが喜びます。
 何年も経つと、この地域にも開発の波が押し寄せてくるかもしれません。子供の遊び場がなくなったり、自然が破壊されてしまうような開発はしてほし くないです。

小沢多賀男さん(太田町)

 駅前商店街で商売をする私たちにとって、駅が新しくなったことによる影響は、ほとんどないと思いますよ。
 たしかに、駅の橋上化と自由通路の完成により、駅の南北は行き来が楽になりました。けれども、ほとんどのお客さんはマイカーで来店するから、駅前通りが駅北へと通じた方が、みんなにとって便利なのでは。
 全国には、図書館があったり温泉があったりする駅があるとか。そういう付加価値があれば、駅はより身近な存在になるでしょうね。
 まちの玄関口は立派に整いました。今後は、市外からたくさんの人が訪れるような、魅力あるまちづくりを期待します。

商工会議所にうかがいました。

 車社会の今日、駅を利用する人が駅前商店街を利用するというような、駅と商店街の一体感はなくなりつつあります。
 美濃太田駅は、自由通路・橋上駅舎、そして周辺整備によってイメージアップをはかることができました。だからといって、それがそのまま駅前商店街のイメージアップにつながったわけではありません。
 今、わたしたちが考えなければならないことは、新しい駅を利用して、いかに商店街の活性化をはかるかです。
 駅の北側は、これから様変わりすることが予想されます。大型店が進出し、あらたに商店街も形成されるでしょう。それらとの相乗効果も期待される中、新しい美濃太田駅ができてよかったといえる施策と努力で、活性化をはかりたいと思います。

 このまちは、駅とのかかわりが深いところです。今日のまちの発展も、駅とのかかわりなしではありえないことです。
 かつてこの地域には、木曽川の渡し場がいくつかあり、その近くは、川を渡る人でにぎやかだったようです。江戸時代には、中山道の宿駅として太田宿(現在の太田本町)が置かれ、今も残る本陣門・脇本陣などは、当時栄えていた様子を今日に伝えています。 
 大正時代になると、このまちにも鉄道がやって来ました。大正10年に美濃太田駅が開業。だんだん利用者が増え、駅前には商店が進出。付近には民家も建ち、この地域の中心は中山道沿いから美濃太田駅方面へと動きます。そしてこのたび、新しい美濃太田駅が誕生。便利で快適な駅に生まれ変わりました。
 時の流れとともに、人々の交通手段も変わりました。今や自動車社会。工事が始まった東海環状自動車道(仮)美濃加茂インターチェンジは、いわば自動車の駅。この駅が、21世紀のまちの発展のカギを握っています。
 人・もの・情報・文化…さまざまな交流がまちを活性化させます。目の前を通過させてしまうのではなく、ここに受け入れ、ここから発信できる拠点となるようなまちづくりを進めることが、今、求められています。


特集/新しくなった「まちの玄関口」、美濃太田駅

新しくなった「まちの玄関口」、美濃太田駅。
障害者・高齢者も利用しやすい駅にしたい
駅のことを語ると、その時代のまちの姿がわかる。
新しい駅・まちの明日、あなたはどう考えますか。
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