保育サービスの現状と課題

子育ての状況や住民ニーズをつかみ、この計画に反映させるため調査を行いました。
 アンケート調査の対象者は、0歳から6歳までの子どもを持つ保護者1,000人(回収率74.6%)、小学1〜3年生の子どもを持つ保護者500人(回収率72%)、23歳から28歳までの独身女性500人(回収率30%)です。


■女性の意識

 女性の社会進出により就業者数も年々増加しています。また、結婚後も仕事を続ける女性が増えたことで夫婦共働き世帯が増加しています。これまでの「男は仕事、女は家庭」といった男女の役割分担に関する意識の変化とともに家族の姿も変わってきています。
 独身女性に対するアンケート結果では、「いずれは結婚したい」という回答がどの年齢層にも最も多く、条件さえ整えば結婚するという意識を映しだしています。
 また、理想の子ども数では、低学年の子どもを持つ母親の理想が「3人」に対し、独身女性は「2人」という回答が最も多くみられました。 「子どもはいらない」「子どもは1人でよい」と回答している独身女性の理由としては、「子育ては経済的負担が大きい」「将来の社会情勢に不安がある」をあげた人が57・1%、「肉体的負担が大きい」が28・6%、「夫婦生活の重視」「趣味やレジャーの時間を持ちたい」が21・4%と続いています。
 この結果から、子どもをもっと生みたいが、経済的負担や将来の社会情勢の不安感から、生むことができない背景があるとともに、夫婦生活に対する女性の価値観の変化が伺えます。


■認可保育所

 昭和52年をピークに減り続けていた児童数も平成2年を境に少しづつ増加しています。平成9年4月の入所児童数は1、049人、保育所の定員1、145人に対する充足率は91・6%です。個々の保育所の大部分で100%前後を保っていますが、定員を大きく割り込む所もあります。平成9年の就学前児童の保育所利用者の割合は、38・4%と全国的に高い水準にあり一般保育の受け入れ体制は整っていると言えます。


■保育の場所

 就学前の児童が保育されている場所の結果では、「家庭などで保護者や家族が面倒をみる」という回答が50・1%。年齢別では0歳から2歳までの児童については「家庭でみる」人が大半です。3歳からは保育所や幼稚園に入所する児童が多くなっています。、ベビーシッターや家政婦などのサービスを利用する人はほとんどいないことが分かりました。


■特別保育

 3歳に満たない低年齢児に対する保育の需要は、女性の社会進出がすすむにつれてますます高まる傾向にあります。入所希望年齢「3歳未満」と回答した人が51・6%を占めており、低年齢児保育にたいする要望が高いことが読みとれます。現在低年齢児保育は私立3園で0歳から2歳児の保育をしているものの、公立では2歳児を実施しているのみです。これに対応するには、公立保育所の建物整備や保母数の検討など受け入れ体制の整備が必要です。


■延長保育

 保護者の就労形態の多様化など保育時間の延長が望まれ、現在14か所のすべての認可保育所で行っています。しかし公立保育所では、保育時間の開始前30分、終了後1時間30分の延長に止まっています。アンケート結果では、午前7時30分からの開所希望が最も多く、終了時間についても午後6時以降の希望者も見られるため、拠点的・段階的に対応していく必要があります。


■障害児保育

 現在私立の保育園で重度の障害を持った児童を受け入れる体制ができています。他の保育所でも軽度から中程度までの障害の受け入れ体制はあります。一部の保育所では施設のバリアフリー化など十分ではないところもあり、施設の充実とともに相談体制の充実が必要です。


■一時的保育

 保護者が病気や仕事、冠婚葬祭などで家庭で保育できなくなった場合、保育所で一時的に保育するもの。市ではまだ行っていません。
 アンケート結果では、保護者が病気や冠婚葬祭などで子どもの面倒をみられなかったと回答した人が51・7%。こうした緊急時に預ける親族などが「いない」と回答した人も約13%ありました。面倒が見られなかった日は、年間10日以内の回答が約6割であり、一時的に保育するところがあれば利用することが考えられます。


■学童保育

 現在保護者が昼間仕事や家庭の事情で面倒を見ることができない小学校1年生から3年生の児童を、授業終了から午後5時30分まで一部の小学校で空き教室を利用して開設しています。これらを利用していない保護者へのアンケートでは、約30%の人が「利用したい」と回答。現在の利用率は低いものの、今後の利用者増加が予想されます。将来的には、すべての小学校で放課後児童教室を開くことが理想ですが、今回のアンケート結果をもとに順次増やしていくことが望まれます


■母子保健事業

 平成8年に作成した「美濃加茂市母子保健計画(みのかも子どもすくすくプラン)」にもとづいて、母子の健康や子どもの健全育成のため、各種検診や相談・教育・訪問事業などを行っています。しかし保健事業と福祉分野との連携が十分とれていないところもあり、今後は協力して事業を進める必要があります。


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