美濃加茂市は、山々の緑と清らかな水が流れる豊かな環境を背景に成り立
っています。美濃加茂市と周辺の大地は、およそ2億年の歴史を持つとい
われます。現在の地形は太古の昔に形づくられたもので、何段もの河岸段
丘はその名残を示しています。また、この地域は化石の宝庫としても知ら
れ、哺乳類や植物の化石が木曽川河畔から発見されていますが、そのこと
から、多くの生き物たちが自然に生き、美濃加茂の自然は形づくられ、彩
りゆたかにしてきたことがわかります。
近年の発掘の成果によって、旧石器時代から縄文、弥生、古墳時代などに
暮らした人々の姿がよみがえりつつあります。川とともに生き、この地に
移り住んだ人々が使った土器の数々が多く見つかっています。そして、そ
の後の歴史は多くの文献によりわかります。
中世には貴族の荘園であったことが知られ、江戸時代には、尾張藩領であ
った蜂屋は蜂屋柿の産地としても有名でした。
古くからこの地域は交通上の要衝として知られていました。陸上では太田
が中山道の宿場町として栄え、河川では中世以来ずっと木曽川運材の中継
地点として重要な役割をになっていたことが伝えられています。
このように、豊かな自然と文化が調和しつつ発展してきた街、それが美濃加茂です。美濃加茂から、文豪坪内逍遙や歴史学者津田左右吉をはじめ、偉大な先人を輩出しています。わたしたちは、こうした先人の知恵と文化、歴史や自然を大切にしながら、今後を見据えて活動していく必要があります。