1 負担調整措置とは
平成9年度の評価替え以降、課税の公平の観点から、地域や土地によりばらつきのある負担水準(今年度の評価額に対する前年度課税標準額の割合)を均衡化させることを重視した税負担の調整措置が講じられ、負担水準の高い土地は税負担を引下げ又は据置き、負担水準の低い土地はなだらかに税負担を上昇させることによって負担水準のばらつきの幅を狭めていく仕組み(負担調整措置)が導入されました。
これまで、負担水準の均衡化・適正化に取り組んできた結果、負担水準の均衡化は相当進展してきている状況にありますが、令和3年度から令和5年度までの負担調整措置については、平成30年度から令和2年度までの負担調整の仕組みを継続することとなりました。
その上で、新型コロナウイルス感染症により社会経済活動や国民生活全般を取り巻く状況が大きく変化したことを踏まえ、納税者の負担感に配慮する観点から、令和3年度に限り、負担調整措置等により税額が増加する土地について前年度の課税標準額に据え置く特例措置が講じられます。
「負担水準」とは…個々の土地の前年度課税標準額が今年度の評価額に対してどの程度まで達し ているかを示すもので、次の算式によって求められます。
負担水準=前年度課税標準額/今年度の評価額(×住宅用地特例率※)
※住宅用地の場合は、特例率を乗じます。
2 固定資産税の税額の求め方
●商業地等の宅地(住宅用地以外の宅地のことをいいます。例:事務所、店舗等の敷地、駐車場)
【令和3年度】
(1) 固定資産税額は、 次のとおり求められます。
課税標準額(価格×70%)×税率(1.4%)=税額
(2) ただし、令和3年度の課税標準額が、令和2年度の課税標準額を超える場合は、令和3年度の課税標準額を令和2年度の課税標準額と同額に据え置きます。
【令和4年度】※令和5年度も同様の取扱い
(1) 固定資産税額は、次のとおり求められます。
課税標準額(価格×70%)×税率(1.4%)=税額
(2) ただし、令和4年度の価格(以下Aとします。)の70%と比べて令和3年度の課税標準額が以下の場合の土地については、令和4年度の課税標準額は次のとおりとなります。
(ア)令和3年度課税標準額がAの60%以上70%以下の場合
→令和3年度課税標準額と同額に据置
(イ)令和3年度課税標準額がAの60%未満の場合
→令和3年度課税標準額+A×5%
(*ただし、上記(イ)により計算した額が、Aの60%を上回る場合はAの60%、Aの20%を下回る場合はAの20%が令和4年度の課税標準額となります。)
(ウ)令和3年度課税標準額がAの70%を超える場合はAの70%
●住宅用地
【令和3年度】
(1) 固定資産税額は、次のとおり求められます。
課税標準額※×税率(1.4%)=税額
※令和3年度の価格に1/6又は1/3を乗じた額(以下Bとします。)
200㎡以下の小規模住宅用地は1/6、200㎡を超える一般住宅用地は1/3となります。
(2) ただし、B(本来の課税標準額)が令和2年度の課税標準額を超える場合は、令和3年度の課税標準額を令和2年度の課税標準額と同額に据え置きます。
【令和4年度】※令和5年度も同様の取扱い
(1) 固定資産税額は、次のとおり求められます。
課税標準額※×税率(1.4%)=税額
※令和4年度の価格に1/6又は1/3を乗じた額(以下Cとします。)
200㎡以下の小規模住宅用地は1/6、200㎡を超える一般住宅用地は1/3となります。
(2) ただし、C(本来の課税標準額)が、以下の額を超える場合は、以下の額が令和4年度の課税標準額となります。
令和3年度課税標準額+C×5%
(*ただし、上記により計算した額が、C×20%を下回る場合は、C×20%が令和4年度の課税標準額となります。)
3 都市計画税の税額の求め方について
固定資産税と同様に負担調整措置があります。また、令和3年度に限り、負担調整措置等により税額が増加する土地について前年度の課税標準額に据え置く特例措置が講じられます。
税額の求め方として、次の2点が固定資産税と異なります。
(1)住宅用地の場合は、住宅用地特例率が以下のとおりとなります。
・200㎡以下の小規模住宅用地は、価格に1/3を乗じた額
・200㎡を超える一般住宅用地は、価格に2/3を乗じた額
(2)税率は0.25%