国際交流協会による交流活動


「外への国際交流」ばかりでなく「内なる国際交流」もすすめるため
美濃加茂国際交流協会は
海の向こうからやってきた新しい市民と積極的に交流しています。
交流会には、今までに数多くのブラジル人が参加。
会場で知り合った日本人とブラジル人の交流の輪が
広がりつつあります。

世界の料理交流会

平成5年度から始まったこの会では、いままでに十数カ国の外国人を招いて各国の料理を一緒に作り、交流をはかってきました。もちろんブラジル料理も紹介され、みんなで楽しく食べました。
外国語で話す交流会

平成9年度から始まったこの会では、協会に登録のある約40人 の外国語ボランティアが、ブラジル人をはじめ外国人との会話をとおして、さらに語学力を磨いています。
日本語講座・ポルトガル語講座

日本語講座は平成4年度から、ポルトガル語講座は平成7年度か ら始まりました。「仕事で必要だから」「もっと交流を深めたいから」熱心に学ぶ受講生たちが、これからの交流の主役です。
バーベキューとサンバを楽しむ会

ブラジルといえばサンバ。平成8年度から始まったこの会は、祖 国を離れているブラジル人市民同士が交流できる機会でもあります。会場には、サンバのリズムが響きわたります。



力をあわせて歩むことができたら


 渡辺エミリアさん
美濃加茂国際交流協会広報委員
ブラジル・リオデジャネイロ出身

 ブラジルは今、とても不景気です。仕事はなく、失業者も増加。そうなると犯罪も増え、治安も悪くなります。
 現在の日本にとって、ブラジルの状況は決して人ごとではありません。不景気が続く日本で、失業率が上昇していることはみなさんもご存じのとおり。企業にしてみれば、不況を乗り切るため、はじめに解雇の対象とするのはおそらく外国人労働者。仕事を失った外国人は、都会から住みやすい田舎町へと動き始めています。その中には、罪を犯す外国人もいます。このまちに増えているブラジル人の中にも、悪いブラジル人がいるのではないかと私は心配しています。
 悪いことをするのは、ほんの一部の人。けれどもみなさんからは「悪いのはブラジル人」と見られ、全部のブラジル人が悪い人になってしまいます。これは私たちにとって、ほんとうに悲しいこと。平和で住みやすい美濃加茂市。外国人による犯罪を増やさないためには、行政や警察、そして日本人市民とブラジル人市民がお互いに連絡を取り合い、ひとつになってこの問題と向き合う体制を整えることが重要です。タテのつながりが強い日本社会ですが、これからはヨコのつながりを強化してそれを生かさないと、お互いが機能できなくなります。
 日本は、ほかの国と国境を接していない国。そのため、外国人に対応できるような法律や行政などの整備が遅れているようです。また、人のこころも、外国人を受け入れる準備ができていません。だからといって、無関心なままでは何の解決にもなりません。自分たちの平和を失わないために、日本人はもっと敏感にならなければと思います。
 日本人とブラジル人、もっと近づくことができるといいですね。そのためには、お互いの国民性を理解することがとても大切。たとえばブラジルでは、隣家が離れていてさほど迷惑にならないことから大きな音で音楽を聞きます。ところが、日本でそれをしたら大変なことになってしまいます。ブラジル人は、協調性を大切にし、気くばりができるように心がける必要があります。日本人は、大きな音で音楽を聞いていたブラジル人に対して、「この人は悪い人」と決めつけないでほしいし、その一面がその人のすべてだと判断しないでほしい。それと同じように、一人を見てブラジル人はみんなそうだと判断しないでほしいです。
 育ってきた環境も受けてきた教育も違う両国民。共にくらすため、お互いに力をあわせて歩むことができたら、このまちはもっとすばらしいまちになるでしょう。



心の国境を越えてひとつになる


佐藤喜良さん
美濃加茂青年のつどい協議会会長
おん祭運営委員会委員長

 近ごろは、ブラジル人がまちを歩いていても、何の驚きもありません。彼らはすでに、このまちの住人としてすっかり定着しています。これからのまちづくりは、彼らを無視して進めることはできません。日本人も外国人も市民は市民。みんながひとつになることが大切です。
 たとえば、市民のまつりとして毎年開催される「おん祭MINOKAMO」。運営にたずさわる私たちは、彼らと一緒にまつりを楽しむことができないだろうかと常々考えています。
 盆踊り大会の会場では、彼らの姿を見ることができました。花火大会の会場にも、たくさんのブラジル人が足を運んでくれました。しかし、「観る」ばかりでなく、彼らも「参加する」まつりが理想だと私は思います。ブラジルといえばサンバの国。市内のブラジル人によるサンバパレードが行われたり、手筒花火や大蛇隊に参加してもらったりできれば、「おん祭MINOKAMO」は、本物の市民のまつりとなります。 
 しかし、どのような方法で彼らに呼びかけたり働きかけたりしたらいいのかわからず、国際交流協会に頼らざるを得ないのが現状です。ブラジル人市民による何らかの組織が存在すれば、その組織を通じてさまざまな情報を彼らに伝えることもできると思うのですが…。
 同じ市民なのに、コミュニケーションがうまくはかれないような状況がいつまでも続くことは危険。コミュニケーション不足がお互いの誤解を招きます。出し方の悪いごみが、すべてブラジル人のものであるはずがない。日本人にはどうしても排他的な部分があります。もっと素直に受け入れることができるよう、みんなが考え方を切り替える必要があります。何とかしなければ、いつまでたっても平行線です。
 外国人市民と一緒にくらすまちづくりと、お互いの理解と交流を深めるまちづくりは、積極的・継続的にすすめるべきだし、すすめなければならないことです。多国籍市民と共にまちづくりをすすめることができるなんて、ほかにはみられない、すばらしいことです。
 同じ市民として何をしてあげたらいいのか、どうすることがベストなのか。コミュニケーションをはかるためには何が必要なのか。彼らと話し合うことができる場を作れるのは、おそらく行政しかないと思います。
 この小さなまちに肩を寄せあって生きている者同士、時間はかかるかもしれませんが継続的に交流の機会を持つことで、心の国境を越えてひとつになるときがやって来ます。それには、やはり一人ひとりの心を開くことが、一番大切であると私は思います。



特集/Bom Dia,Minokamo.

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