私たちの暮らしと地球の温暖化

 石油などの化石燃料を資源としたエネルギーの大量消費が、人類の危機ともいえる地球の温暖化を進めています。
 私たちが追い求めてきた快適な暮らしが、両刃の剣となって地球環境に大きな影響を与え始めているのです。
   温暖化対策の国際会議「温暖化防止京都会議」が先月京都で開催され、世界が動き出しました。
 国や地域の枠をこえ、地球上の人々が一丸となって取り組むしか、もはや解決の道はありません。私たち一人ひとりが今、何をすべきか。身近な家庭生活との関わりの中から地球温暖化を考えてみましょう。


なぜ地球が暖かくなるか

 地球は、私たちが呼吸している空気(大気)に包まれています。この大気中に含まれる一部の気体が、太陽の光で暖められた地表の熱を宇宙へ逃がさないことで、地球の気温を保ってくれています。この気体がないと、今の平均気温より30度ほど低くなってマイナス15度くらいになるといわれています。
 二酸化炭素やメタン、フロンなどのこの一部の気体は、こうした性質から「温室効果ガス」と呼ばれています。地球が暖かくなるということは、この温室効果ガスが急激に増えて、異常に暖かくなるという現象が起きていることなのです。温室効果ガスの中でも、排出量からみて温暖化の原因となる程度が大きいのは二酸化炭素(CO)。 
 なぜ二酸化炭素がそんなに増えたのか。それは18世紀の産業革命以降、人類が石油や石炭などの化石燃料を大量に燃やし続け、二酸化炭素を作り出しているからです。また、焼き畑農業や開発などで熱帯雨林を燃やしていることもなども、地球温暖化の原因になっています。


地球が暖まるとどうなるのか

 現在の増加率で温室効果ガスの濃度が増え続けた場合、百年後には地球の平均気温は約2度上がると言われています。これは、日本が南に300キロ移動するのとほぼ同じ気温の変化で、これは大変な環境の変化です。
 46億年という地球の歴史の中では、温暖期と寒冷期が繰り返えされていますが、周期は数万年単位。氷河期の気温でも今より3度から6度低かっただけといわれています。また、渇水の記憶も新しい平成6年の夏の猛暑。日本の最高気温が次々と塗り替えられたあの年でも、平年に比べ1度程度高かっただけ。ところが、現在直面している気候の変化は、わずか百年で平均気温が2度も上昇する急激なものです。
 急速な温暖化は、海流や風・雨の気象パターンの変化に伴う水害や干ばつの発生など、世界の食料生産に大きく影響を与えます。地球上では、今でも食料不足に悩まされている地域が多くあります。人口増加も当分の間まだ続きます。温暖化による農業適地の移動、土地・作物の生産性の変化により更に食料不足がすすむ恐れがあります。
 また、海の膨脹や極地の氷の融解によって海面の上昇も起こります。低海抜地域の水没や海面下に沈んでしまう島国もでるなどさまざまな悪影響が予測されています。



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