ブックタイトル広報みのかも9月号

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広報みのかも9月号

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広報みのかも9月号

102017.9文化イベントの共同開催事業では、坪内逍遙や津田左右吉にゆかりの深い人物などをテーマに、定期的に企画展を共同で開催しています。これは、演劇博物館をはじめとする早稲田大学所蔵の資料や美濃加茂市民ミュージアムが所蔵している貴重な資料などを、互いに展覧しあうものです。これまでにも、坪内逍遙の書簡や白隠の書など貴重な資料など、普段美濃加茂では見ることのできない資料を紹介してきました。また、美濃加茂市民ミュージアムが所蔵する漫画家・岡おか本もと一いっ平ぺい直筆の軸や色紙、そしてこの地域をフィールドに地道な調査と収集を続けてきた佐さ野の一かず彦ひこの写真、林はやし魁か一いちや吉よし田だ英ひで敏としの考古資料コレクションなど、美濃加茂の文化を早稲田という場を起点に紹介する貴重な機会になっています。坪内逍遙は、イギリスの劇作家W・シェイクスピアの全作品を翻訳したことで広く知られていますが、その一方で戯曲の創作や俳優の育成、演劇の改良にも尽力しました。そのことから学生演劇や古典芸能を交えたコンサート、朗読会などを開催しています。中でも「早稲田大学学生による野外劇」は今年で10年連続10回目を迎えます。同大学の演劇サークルが、一週間文化の森に滞在しながら作品を作り上げ、発表する企画です。この公演の特徴の一つは、演劇作品の発表の場が「野外」であるということ。学生たちが試行錯誤しながら、ここでしかできない作品作りを行っています。もう一つの特徴は、地元の高等学校演劇部の生徒との交流・ワークショップの開催です。「学校との連携」を大切にし、学生たち自身の成長も願貴重な資料を展覧美濃加茂で多角的にいながら継続しています。大学生による高校生の演劇ワークショップは、全国的にも珍しい取り組みです。また、毎年秋に実施している「木立に響く逍遙」ではさまざまな試みに挑戦。逍遙訳の「ハムレット」の一場面を、能狂言の謡の節にのせ、笛、尺八で情景描写を表現するなどし、新しい感覚で構成することで、より親しみやすく、興味深いと感じていただける内容で毎年お届けしています。逍遙大賞をきっかけに発足したみのかも「声のドラマ」の会による朗読を基調とした活動も、このまちの新たな「文化」となろうとしています。会員が自らも学びながら、市内や県内での朗読公演や小中学校の授業で朗読指導を実施。同会による朗読公演は過去2回早稲田大学でも行いました。こうした活動は、逍遙を契機とした市民による自主的な文化活動の広がりの一面も発信しています。早稲田大学坪内博士記念演劇博物館(写真上)前にある坪内逍遙博士像(写真右)。「握手をすると早稲田大学文学部に合格する」という都市伝説があり、受験シーズンになると握手をするために受験生が列をつくることもあるという。