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概要

広報みのかも1月号

22017.121命をつなぎ続けてきた記憶の残る池加茂野小学校の南側には大きな池が広がっています。これは天あま乳ち池いけと呼ばれている「ため池」です。美濃加茂市には木曽川や飛騨川という大きな川が流れています。しかし河岸段丘などの地形により、この地域の人たちは田畑の作物のための水の確保に苦労し、川から用水を引いたり、湧水や「ため池」を利用したりする方法でしのいできました。天乳池も、この地区の田畑の作物を潤した「ため池」の一つです。天乳池の西側には、石碑がひっそりとたたずんでいます。自然の造形のままの石に彫られた文字をみると、天明六年(一七八六)という年号と、当時の整備の工事で尽力したと考えられる人たちの名前が刻まれています。昭和63年に市教育委員会が行った石仏調査の時には、天乳池の南側にありましたが、最近の整備工事で西側に移されたようです。それにしても、この石碑はずいぶんと長い時間、この地域を見守っていることが分かります。現在は天乳池の周囲は整備され、朝晩に散策をする人たちの姿が見られます。「ため池」と石碑は、過去の記憶を伝えるものとして、地域の人たちに大切にされています。