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概要

広報みのかも11月号

22016.1119川石垣のある風景川合町では、川石垣のある屋敷が多く見られます。木曽川と飛騨川に近く、階段状の土地が崩れ落ちるのを防ぐため、川石を積み上げて石垣を作りました。木曽川の中流域であるこの地域は、直径40センチ程度の形の整った平たい楕円の川石を採るのに絶好の場所でした。はるか上流から流れてくる石は、水の中でほかの石とぶつかることで角がとれ、磨かれます。丸い形から「玉石」とも呼びました。川石を採るにはマンガという道具が使われ、舟で川底の石を手繰り寄せて拾い上げたり、河原で石を起こしたりして採りました。川合町には、かつて船で荷物を運ぶことを仕事とする船頭が多くいたそうです。笠松や北方(現一宮市)の港まで、木炭や薪、お茶、生糸などを運びました。荷物が少ない夏場は所々で川石を採って、積みながら下り、川石問屋に売ったという記録も残されています。道路や河川の工事、建物の基礎で使用するためのもので、当時はとても需要がありました。また、漬物石やわら打ちのたたき台など、暮らしの中でも多く利用されたこの川石。川石垣がある道には、今も川の町ならではの風情が漂います。