ブックタイトルkoho_02

概要

koho_02

積み重なる命三和町から伊深町にかけ、険しい山地を目にすることができます。その山地を形成している岩肌はチャートという岩石で構成されています。見る人に力強さと荒々しさ、そして時には何か神秘的ともいえる印象を与えます。今から約2億年前、放ほう散さん虫ちゅうなどのプランクトンの死骸が、海底に堆積してできたものがチャートです。赤道付近の海底でできた層が、今の日本付近まで移動し、造山運動のエネルギーで隆起しました。私たちの頭上300メートルから500メートルが海の底だったという地球の力とそのエネルギーにも驚きます。また1ミリメートルにも満たない大きさのプランクトンの死骸が何層にもなり、しま模様を造ります。そのプランクトンの命に思いを寄せると、気が遠くなるような時間の流れも感じることができるのではないでしょうか。チャートは固い岩石で、古くは旧石器時代にも、人が加工し石槍などとして使用されていました。プランクトンの命が集まった石で、人の命をつなぐために生き物を狩る道具を作り、命をいただく、私たちが大自然の中の循環の一部であることに思いをはせることができる風景です。問みのかも文化の森／美濃加茂市民ミュージアム?28-1110美濃加茂新24景102MINOKAMO 2016.2.1