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昭和二十年八月十五日の「伊深日記」から【解説】佐野は、八月十五日の夕方、疎開していた伊深・正眼寺の人から「大東亜戦争終われり」を知ります。佐野は半信半疑でしたが、大変なことが起きているのだと推測しました。寺に防空壕を掘りに来ていた村人らは「自分たちはまだ切迫していない。なお戦う力は十分ある」と言いました。佐野自身「戦いがもし止むとしても、敵に下る(降伏する)ことはない。それより死んだ方がいい」と言い、村人たちも賛同しています。詔(みことのり)の事実を受け入れがたく、憤りの気持ちが収まらない佐野の心境でした。新聞紙面を三度も読み、なんとか心を落ち着けようとしますが、心が安らかにならず混乱し、ぼうぜんとした状態が続いていたようです。翌日の日記には心の内を左の色紙のように吐露しています。心にぽかりと穴が開いたような、とてつもない虚無感が佐野を包んでいました。▲「うつろなりただうつろにて夏のゆく」(8月16日の文面をのちに色紙に書いたもの)6MINOKAMO 2015.8.1